理事長より会員の皆様へのご挨拶
2017年3月18日に、念願であった三重県看護研究会が設立されました。この設立の趣旨は、三重県の看護実践現場の質向上や看護学の学術的発展のために、三重県内の看護実践者、看護教育・研究者が一体となって、看護学の学術的発展と看護実践の質的向上に寄与するものであります。
近年の少子高齢社会のなかで、高齢者人口の増大、疾病構造の変化、健康保険制度や医療費の問題などの医療状況の変化に伴って、病院施設における看護から地域在宅における看護のニーズが高まっており、多様なヘルスケアニーズに対応できる看護専門職が求められています。一方、高度医療における看護の役割も大きく、病気や治療、医療技術を担う役割も期待されています。このような様々なニーズの変化に反応し、看護実践者、教育者、研究者が協力して、看護職者を育てていく必要性があります。看護の基本としては、今も昔も変わらない原点であるヒューマンケアを忘れずに、現代の医療状況や社会保障制度を鑑みながら、生活者視点での看護支援・教育を提供していくことが重要であると考えます。
日本看護協会は、2018年の重点政策案として①看護基礎教育制度改革の推進、②地域包括ケアにおける看護提供体制の構築、③看護職の働き方改革の推進、④看護職の役割拡大の推進と人材育成、を掲げています。①においては看護師基礎教育の4年制化、②においては訪問看護の提供体制と人材確保、③においては夜勤・交代制勤務の特性を踏まえた労働期制の実現、④においては認定看護師制度の再構築、といった取り組みをしようとしています。また、看護系大学は、2018年度には263大学となり、まだ増加する傾向にあって看護教育も変化しつつあります。2020年度からは看護学の教育カリキュラム改正がなされることになっています。そのなかで、地域包括ケアなどが追加され、地域における医療・ケアが重視されつつあります。三重県においても、このような課題に対して看護職者が共に力を合わせ、前進していくことが必要であると考えます。それらを遂行するためには、三重県の看護の力を集めて行動を起こしていくことが求められます。つまり、看護実践者・教育者・研究者が一体となり問題解決志向で実行していくことであると思います。
三重研究会の初代理事長に就任させていただいた重責を感じながら、この研究会の発展に努力していきたいと考えております。会員の皆様からのご支援・ご支援を賜ることを心から願っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
理事長 大西和子